大前机のお話

住職のおはなし

 私たちは大切な家族を亡くしますとそのご供養の為に、お寺へ参りお坊さんにお経を読んでいただきます。しかし、お経を読んでいただくだけがご供養ではありません。お仏壇を綺麗にしたり、お墓参りにでかけたり、季節のお花や果物をお供えしたり・・・一言にご供養といっても、いろんな形のご供養があることに気付かされます。

 寺院に身を置いておりますと、いただくご質問の上位をしめるのが「お供えものはどのようなものがいいのでしょうか?」というご質問です。「お供えっていっても、正直何を用意したらいいか・・・」というわけです。

 確かにそうですよね、わかります。果物といっても箱に詰めたほうがいいのか、バラで持参しても対応していただけるかなど、一妙寺に初めて参拝となると尚更です。

 宗教は形から入りますが、形がないのもまた宗教です。そのあたりは皆さまのお気持ちで大丈夫です。私たちは何事も「よい、わるい」で決めてしまいがちですが、正負というのはその人の環境や立場、背景によってかわるものですから。

 専門的な話を申し上げますと最上級の供物は「お餅」となります。その他に「生菓子・干菓子・水菓子・乾物・野菜」などを揃えてお供え致します、数の多さに驚いてしまいますね。

 でもこれはまだ序盤なんです。熟練になりますとベースに茶、膳、水、菓、香、華(花)を揃え、そして更に派生させていきます。例えば「香」でも「抹香(まっこう)塗香(ずこう)焼香(しょうこう)」の3種類の「香」を用意し、お香のランクも沈香(上位のもの)をと枚挙にいとまがありません。
 
 その他にも供養の語源には「彩る」と言う意味もありますから、美しいものを供えることも加えられます。本堂内にあるきらびやかな飾り物も、実は華(花)から派生された供養品のひとつなんですね。

 つらつらと書きましたが、大切なのは「皆さまのご供養されるお気持ち」です。一妙寺ではそのお気持ちにお応えできるように、今日も綺麗な本堂と心構えで皆さまのお参りをお待ち申し上げております。

 表紙の写真にございますよう、このたびお供物をお乗せする机を新しくお迎えしました。こうやってひとつひとつ先述の「美しいもの」を揃えていきたいと思います。こういうのはお値段がお高いので・・・住職、これからもがんばります。