サトリのココロ

メディア掲載

人生の成功は会社や結婚ではなく「魂の成長」にあります

 私の父はサラリーマンでしたが、母方の実家が熱心な日蓮宗の信徒でしたので、小さな頃から日常的に仏教に触れて育ちました。転機は中学3年生のとき。日蓮宗総本山である身延山に初めてお参りに行ったときのことです。不思議なことに「あなたお坊さんになりなさい」という声が聞こえたのです。それまでの環境もあり、私は迷わず翌年、身延山高校へ。親元を離れ、寮生活を始めました。

 大学の仏教学部を卒業後は社会人に。実家が寺ではありませんから、住職一人では手が足りない都内の寺で職員として働きました。いわば寺に勤める「寺リーマン」(笑)4年勤め、退職して100日間の荒行を成満しました。

国内開教師第1号として小さなお寺作りがスタート

 その後、日蓮宗国内開教師の募集を知り、「コレだ!」と応募。国内開教とは、寺院の少ない地域に赴き、お寺を作り、布教活動を行うこと。実は私も同じことを考えていました。銀行でお金を借り、いつかは自分でお寺を作りたいと。数ある候補者の中から選ばれ、私は国内開教師第1号となりました。そして2010年、国立市に一妙寺を設立しました。

 お寺といっても賃貸の一軒家。参拝者が15人も入ればいっぱいになる小さなお寺です。信徒さんと一緒にゼロからお寺を育てていく「育寺」を合言葉に、私のお寺作りが始まりました。

 お寺はお葬式や法事をお願いするイメージかもしれませんが、私はむしろ生きている間にこそ話を聞いてほしいと思います。仏教の話を聞き、生きるうえでの参考にしてほしい。そんな思いから、「お経と法話の会」を始めました。何気なく使う言葉や日常生活の中にも仏教の教えがたくさんあります。それをわかりやすく伝えることが私の役目だと思っています。

考え方をチェンジして魂のレベルアップを目指して

 世の中には人生での「成功」を求める人がたくさんいます。では成功とは何か?世間的には、良い学校を出ること、良い会社に入ること、そして結婚すること。この3つがうまくいっている人は「成功」と思われるでしょう。

 でも仏教での成功は違います。仏教では「魂の成長=魂のレベルアップ」こそが成功。仏教にはその魂のレベルアップのための教えがいろいろな手立てで説かれているのです。欲望や執着、ねたみといった煩悩は、庭の草のように取っても取っても生えてきます。こまめに草取りをして庭をきれいにするように、悪い感情もその都度だしていくこと。これが魂のレベルアップにつながります。

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