一妙結社の本堂落慶

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 日蓮宗初の国内開教師・赤澤貞槙師(33)が東京都国立市に開いた一妙寺の本堂が3日、落慶した。2010年の開教師任命から4年で本堂建立を祝い、信徒ら約40人が参列して一層の寺門興隆に期待した。  

 日蓮宗では、宗門寺院の少ない人口増加地域で布教を進めるため、国内開教師制度を設け伝道意欲に燃えた若手教師を任命している。赤澤師は、日蓮宗寺院が1カ寺もなかった国立市で借家に須弥壇を設け布教を続けてきたが、自前の拠点で活動できるようにと、銀行の融資を受けて同市内に土地を取得し本堂建立を進めてきた。  木造3階建てで、1階がイス席の本堂、2・3階が庫裡・客殿。白い壁の現代的な外観にし、一般の人も入りやすいよう配慮した。  

 赤澤師は真新しい宝前に向かい奉告文を読み上げ「借家に本尊を掲げ、段ボールで作りし祭壇で国内開教寺院を始動」とこれまでの歩みを振り返りながら、本堂建立が成ったことを「信徒一同の信仰のたまものなり」と感謝した。  

 開教当初は近隣の人から不審に思われたりすることもあったが、チラシを配ったり、時間がある限り市内一円を唱題行脚するなど、日蓮宗僧侶の存在を伝えることに勤めた。「何度も心が折れそうになったが、先輩僧侶や寺族、信徒の皆さんの励ましが支えになった」と語る赤澤師は「寺の心臓は、信徒の敬虔な気持ち。これまで以上にたくさんお経をあげていきたい」と、より一層の精進を誓う。  信徒の1人は「赤澤師は勉強熱心で、信徒にも真摯に向き合ってくれる。これからも頼りにしている」と話した。

【記事紹介】中外日報2014年11月号掲載

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