身延山の感井坊 2019.08.01 住職のおはなし 先日、お経の会ご参加の皆様と身延山中腹にある「追分 感井坊(おいわけ かんせいぼう」へ参拝させていただきました。 追分とは「分岐点」という意味があるそうです。身延山と七面山の分岐点に佇む感井坊ですが、かっては多くの方で賑わっておりました。しかし時代の流れとともに参拝者が減り、長く無住状態が続き荒廃したお姿に。人々の記憶から今にも消えそうだった感井坊ですが、2013年より復興が進みました。身延山の内野光智上人によってリメイクが手掛けられ、今では御尊像である帝釈天像、日蓮聖人像もとてもきれいになり、往時の迫力あるお姿が戻りました。 当日は身延山ロープウェーにてまず身延山山頂へ登りました。その後、山の中を歩き感井坊を目指します。山の天気は変わりやすく、途中雨が降ったり、熊に遭遇しないかヒヤヒヤしながらの歩行だったのですが、無事に感井坊に到着し、本堂にてお開帳をいただくことができました。 お経の後、内野光智上人が写真を交えながら感井坊の見るに耐えなかった状況を説明してくださいました。台風によって屋根が吹き飛び、お経を読むときに鳴らす鐘には9分目まで雨水が溜り、まるで金魚鉢のようだったと話され、その惨状を聞いた私たちは胸が締め付けられました。 しかしながら一妙寺の皆様が山を登り、法華経・お題目を唱え、信仰をお届け頂きましたことは感井坊の帝釈天様、お祖師さまも大層お喜びくださることと存じます。なぜならお寺にとって何よりの栄養は多くの方がお参りしてくださることですから。 私たちは日頃一妙寺でお経の修練を積み、袈裟や数珠を揃え活動に励んでおりますが、こういうときの為にその力を発揮するべきだと思います。「一妙寺のお経の会」が「身延山感井坊復興のお手伝い」につながったのです、小さなお寺の私たちでもお役に立てることがあるというのは嬉しいですね。 佐藤勇光さん(以前一妙寺お経の会に参加、その後職を辞め出家、現在身延山で修行中)との再会に喜び、山歩きではマムシに遭遇し驚き、帰りの車内は笑いの絶えない充実した一日を送ることができました。 「日蓮宗のお寺は多くあれど、身延山の感井坊にまで足を延ばすお寺はそうそうない、一妙寺あっぱれ」と感井坊のお祖師さまは私たちにそうおしゃってました。 功徳というお土産をお忘れなく。お参りご苦労さまでございました。 住職のおはなし 第111回お経と法話の会 お施餓鬼法要 第112回お経と法話の会 千鳥ヶ淵戦没者追善法要 ピックアップ記事 住職のおはなし 住職の叫び 2021.02.01住職のおはなし