国立布教所が総登詣

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 宗門初の国内開教拠点・国立布教所(赤澤貞槙住職)が6月中旬に念願だった初めての祖山登詣を実施。さらに今月に入って、毎月の法話会など、地道な布教活動の成果が実り、懸案だった地元国立市の住民との縁を結んだ。地元学生の訪問や仏事相談など、歩みを進めている。

 同布教所の記念すべき第1回の祖山総登詣は、17人が参加。身延山高校、久遠寺在院生を卒業した赤澤師は「開所から7カ月で団参できるとは夢のようです」と喜びを語った。  当日は覚林房(樋口是亮住職)で昼食。身延山名物の湯葉料理に舌鼓を打った。食後に身延山中興の祖、日朝上人(第11代法主)が祀られる日朝堂を参拝。参加者は、在院生時代、厳しい指導で落ち込む赤澤師を励ました故樋口是澄前住職とのエピソードや樋口住職の法話を拝聴した。  

 樋口住職は「彼はガッツがあるし、一生懸命なところが日朝上人にそっくりだ。日朝上人は30ヶ寺を建立し、彼はまだ1ヶ寺だが、今後皆さまを導いていくと思う。どうか盛り立ててやって下さい」と参加者にアピール。  久遠寺での総登詣法要では、岸之坊(諏訪是昌住職)と合同法要。図らずも導師を仰せつかった赤澤師は、極度に緊張したものの、見事に役目を務めた。  内野日総法主の御親教では、輪番奉仕の謝意とともに法主自らが被災地へ訪れたことが語られ、震災犠牲者への祈りも呼びかけられた。  

 帰山後の参加者からの便りでは「厳粛さに感動した」や車椅子の参加者から、移動の際、久遠寺僧侶や同行者が車椅子を持つ等「お寺に集う方の温かい御心を身に染みて感じた」との感想が寄せられ、参加者はそれぞれに来年の総登詣への思いを新たにした。

【記事紹介】仏教タイムス2011年7月号掲載

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