四菩薩慶讃のお話 2026.03.01 住職のおはなし 文永8年、日蓮聖人は佐渡ヶ島にて日蓮宗の御本尊である大曼荼羅を初めて顕されました。 大曼荼羅とは法華経に登場する仏、菩薩、明王を羅列し、中央には南無妙法蓮華経の7文字、法華経の世界感を表現したものです。 日蓮宗のお寺はこの世界感を仏像で表現します。私ども一妙寺も先月のお経の会にて新しくお迎えした四菩薩像の開眼式を執り行い、これでようやっとお寺の御本尊が整いました。今号ではこの開眼式で披露した慶讃の文を書き下して皆さまにお届けいたします。 慶讃文書き下し 仏像製作を依頼したのは佛師、松本定祥先生です。松本先生とのご縁は荒行をしたときに持仏として所持していた鬼子母神像に彩色を施してくださったことに由来します。その縁をもって一妙寺帝釈天のお像も製作していただきました。 帝釈天は身延山の西谷中腹にお祀りされる神様です。私は松本先生と共に帝釈天を輿に乗せ、身延山を唱題行脚しながら登りました。これは日蓮聖人の一番弟子といわれる日朗上人の給仕の教えに習ったものです。この力は時空を超えて松本先生を不屈の精神に導きました。 松本先生は四菩薩像彫刻の最中、不慮の事故によって佛師の命ともいうべき利き腕の指を欠損されます。しかしながら不屈の精神、不惜身命の決意をもって、大きな外科手術、懸命なるリハビリ治療に励まれました。「国の為、法華経の為にはわが身を思うな」とは大聖人さま直々のお教えです、法華経を弘めようとするものには必ず苦難が降りかかるのです。日蓮聖人のご生涯が苦難の連続であったように。先生は心の魔王、悪知識に負けず、自らの使命を鑑み、ふたたびノミを手に持ち、ついにはお像を完成させました。これは正に法華経弘通の精神であり、身延の霊山に宿る日朗上人の給仕功徳に供える浄行であります。 令和4年3月、春のお彼岸にて一妙寺信徒と共に四菩薩像のみ入れ式を厳修し、以来、幾多の天災、危機を乗り越え、多くの行者、信徒の行幸を願い、令和8年1月無事に開眼式を迎えました。人の身は一代にしても尊像は幾世代を超えます、更に仏法の縁の源は二千有五百年に及びます、法があり尊像が祀られるのは形がなければ理解ができないという私ども人間の本性に根付いたものです。先人が作り上げた仏像は歴史を重ね、令和の時代を生きる私どもに訴える教えは決して浅くはありません。古来より続く法華経の功徳、仏菩薩の力をこの一妙寺に留め、人類の和平と立正安国を実現しお守りくださいませ。 南無妙法蓮華経 仏像をつくるだけではなく、こういった慶讃のことばを作成するのも住職の大切な仕事です。この法要を機に一妙寺のおおまかな輪郭は整いました。今度は内容を充実させるために説教の修練や弟子の育成に励んでいきたいと思います。 今後とも一妙寺をどうぞよろしくお願いいたします。 一妙寺住職 赤澤貞槙 拝 住職のおはなし 第179回お経と法話の会 高座説教 第180回お経と法話の会 春季彼岸會 ピックアップ記事 住職のおはなし お墓のお話 2025.06.01住職のおはなし 住職のおはなし 住職の叫び 2021.02.01住職のおはなし