度牒のお話

住職のおはなし

11月6日、7日で千葉県鴨川市の清澄寺に行って参りました。

 今年5月25日に一妙寺で得度させていただき約5カ月が経ち、日蓮宗大本山であり日蓮聖人が御題目を唱えられ立教開宗したその地で、度牒を授かって参りました。

 度牒とは得度した僧に交付される身分証のことで、これによって日蓮宗の僧侶見習い『沙弥』(しゃみ)として認められたことになります。

 当日は15時現地集合、受付を済ませ掲示された参加者名簿を確認すると度牒僧は全22名。最年少は10歳、最高齢はなんと80歳、女性は7名。割り振りされた部屋を確認し、自室へ到着すると既に2名の先着の方がおられました。

 そのうち一人は80歳の方(熊本県)で、ご挨拶後は法衣に着替えて少々部屋で待機しているうちに同部屋のメンバーが揃いました。北海道、千葉、愛媛の方々と私の5名でした。

 まもなく放送が入り、一同が集い16時摩尼殿参拝、16時30分仏前作法指導、読経テスト、と続きます。

 読経テストでは全員『声が小さい』と途中で指導僧より激が入り、気合を入れ直し最初から全員で読み直しました。その後は夕食、翌日の度牒交付式の予行、お勤め、祖伝法話と続き、20時より入浴、21時消灯でした。

 二日目は5時起床、5時30分に一同が集合し日蓮聖人が朝日に向かって御題目をお唱えされた、旭が森にてご来光に向かい唱題を行いましたが、地平線と重なる雲から昇る綺麗なオレンジ色の朝日を拝むことができました。続いて7時より度牒交付式が行われ無事に度牒を授かることができました。記念撮影後、朝食をいただき解散のあっという間の二日間でしたが、この度牒で私は大きな自信をもらうことができました。

 それは同室の80歳の度牒僧の方からでした。移動時は常に杖をつき階段の上り下りも一歩ずつ慎重に。

 身体のあちこちが痛いそうで、寝ている際もイビキの合間に『イタタタッ』と漏らされておりましたが、その方の生き様を目の当たりにして勇気をもらい、挑戦することに歳は関係ないこと、私はその方の半分しか人生を経験していないこと、私の大好きだった祖父と重なること。解散の際のご挨拶では『とにかく身体を大事にしないさい、身体が健康でないと何もならないから』と温かい言葉も頂戴いたしました。

 今回の度牒で僧侶になるための第一歩を踏み出すことになりますが、ここまでにも一妙寺の檀信徒の皆様や赤澤ご住職、佐藤上人(先生)、家族や周囲の方々に支えられておりますことに改めて感謝申し上げます。

 そして世の役に立てる僧侶となれるように精進し、何事も諦めずに挑戦してまいりますので、今後ともよろしくお願い申し上げます。

 赤澤師匠、清澄寺へ二日間のご同行誠にお世話になりありがとうございました。南無妙法蓮華経。

 

          一妙寺見習い 三田 憲司 拝

 

 

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