一妙寺落語会のお話

住職のおはなし

僧侶という立場に身を置いておりますと、癖のように「良いお坊さんとはなんだろう」と考えてしまいます。

 「宗教は科学の反対」というのが私の持論であり、例えば「AはBである」という計算式が成り立つのが科学だと思います。でも宗教は違います、場面や空気、そして何よりも人の気持ちに密接しているので諸行無常である限り計算式は成立しません。

 同じ食事でも「いただきます」と合掌してから食べたほうが美味しく感じませんか?科学では無言で食しても味は変わらないと証明します。でもそれは人として冷たく感じます。いただきますと合掌して食事を楽しみたいものです。

 もし私が僧侶として特別な能力があるとすれば、それは間違いなく身延山や荒行堂にて修行をさせていただいた経験でしょう。私ごときが少し修行しただけで、日蓮聖人さまや荒行堂の守護神である鬼子母神から御功徳を頂戴できたとは思いませんが、「お力をお裾分けいただいた」と信じ、「頂戴した御功徳をみなさまにお手向けする」という使命をもって毎日働いております。

 私はこの仕事が大好きです、今月も多くの方にご縁をいただき家族が健康に暮らせることに本当に感謝しております。ありがとうございます。

 今月は一妙寺に古今亭志ん五師匠をお迎えしますが、師匠の話芸は超一級品です。話の展開がわかっているのに、何度聞いても笑ってしまいます。

 そこもやはり科学では証明できない力が発動しているからでしょう、ご利益を頂戴する気持ちでみなさまと師匠をお迎えしたいと思います。どうぞご参加くださいませ。

  一妙寺住職 赤澤貞槙 拝

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