お墓の内部のお話

住職のおはなし

自然の摂理の特性のひとつに相反があります。つまり同じ扉でもこっちから入れば「入口」となり、向こうから出てくれば「出口」となります。食べ物を摂取すれば排泄もあり、天から雨が降れば、地面から水が湧いてくることもあります。

 平成29年、一妙寺は八王子上川霊園に永代供養墓を建立いたしました。多くの方にご利用いただけるようお墓の内部は二段型のカロートをつくり、ご遺骨が他の方のお骨と混ざることなく個別に安置される設計にいたしました。

 ところが、最近霊園の深層部に巨大な水脈があることが判明(上川霊園だけでなく、豊かな大地の下には水脈があります)。近年の水害を鑑みますと、大雨の日はお墓の下の水位が上昇してくるかもしれません。自然のことはわかりませんので、底辺部が地中と直結している以上なんらかの対策をしたいと思いました。一妙寺のお墓は途中でお骨をとりだすことなく、永遠に個別に安置されます。そこで二つあるカロートのひとつを使用せず空間にすることにしました。これまでは「地面の下まである石室(地下1階まで)」であった構造が、これからは「地面の上にある石室(1階部分のみの使用)」といたします。これでより一層、ご遺骨の安全が確保されました。

 太古の昔から人は山に墓前に石を置いてきました。それは標や慰霊、連帯など石には人の想いが宿ります。父の戒名が刻まれた石を拝すると、そこは亡父を感じる聖地となります。みなさまからお預かりしている大切なご遺骨が少しでも清潔に、大切に格護されますようこれからも勤めて参ります。尚、今回の対策にあたりお墓の中のご遺骨を安置するスペースが縮小されました。それに伴い一妙寺永代供養の受入も間もなく終了(完売)となります。ご検討中の方はお早目にお申込みください。

一妙寺住職 拝

 

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