外壁塗装のお話

住職のおはなし

  サラリーマン家庭に生まれ自分のお寺をもっていなかった私は、2010年10月に当時借りていた住居に板紙にて日蓮宗の祭壇をつくり「ここが私のお寺です」と必死にアピールをしながらお坊さんとして活動を行っておりました。

 「世間的にはお寺は亡くなってからお世話になるところ。でも私は生きているうちにこの説法をみなさまに聞いてもらいたい。」と端を発したことが一妙寺と原点となっております。

 立派な山門や五重塔がなくても法話はできる、一般住宅のリビングで聞く法話を中心とした活動を心がけ、皆さまの心の拠り所となれるよう、妻と二人三脚で「まったくゼロからのお寺づくり」にチャレンジさせていただきました。

 当初は手探り状態であった活動も徐々に軌道に乗ることができ、毎月1度開催している「お経と法話の会」は今月で157回目を迎えます。チラシをみたといって法話会に出席してくださる方がいらっしゃったり、法話会にご参加いただいた方より仏事のご依頼をいただいたり、本当に多くの方にお支えいただき、お陰様をもちまして賃貸物件の一室であった小さなお寺も土地の取得、本堂落慶と寺院としての外観を整えることができました。

 ゼロから始めるお寺づくりのメリットのひとつに「お寺のコンセプトを自由にできる」ことがあげられます。奈良や京都にはないお寺にしようと白を基調とした無印良品のような本堂をつくりました。シンプルでもデザインがよければ清楚にみえるもので、当時私に求められたのは「清潔感とコミュニケーション能力」でした。つまり、畳に正座して和尚さんの難しい話を聞くよりも、清潔感のあるスタイリッシュな空間で自分の話をきいてもらうほうがよいという訳です。私は「一妙寺はビュッフェ会場であってお腹を空かせた方(お話をきいてもらいたい方)がやってくる。シェフの私は得意の相槌と質問力でみなさんにお腹いっぱいになってもらおう」と思ったものです。

 そして今はこの選択が間違っていなかったと安堵しております。

 そんな一妙寺もそろそろ外壁を塗り替える時期を迎えました。この5月の連休明けよりシーリングの打ち替えや外壁の塗装、屋根の防水工事などを行います。工事中、みなさまにはご迷惑をおかけしますが、日蓮聖人よりお預かりするお寺を永くお護りする為に必要な工事です。何卒、ご理解をいただきますようお願いいたします。尚、工事は6月下旬までかかる見込みです。

一妙寺住職 赤澤貞槙 拝

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