赤沢宿のお話

住職のおはなし

みなさまは「赤沢集落(あかさわしゅうらく)」を御存知でしょうか。「あかさわ」という言葉は一妙寺でなんとなく馴染みのあるワードですね。

 赤沢集落は山梨県にある小さな集落で、昔は身延山へ向かう参詣者の宿場町として栄えておりました。

 その街並みがとても美しく、今では国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されております。
この赤沢集落から身延山へ入ると、静かにたたずむお堂が「感井坊(かんせいぼう)」です。帝釈天がお祀りされ、その御分体が現在一妙寺にて法を説かれております。

 僧侶となり25年以上の月日が流れましたが、赤沢集落から感井坊までの辛い山道そのものが、なんとなく私の人生を顕わしている気持ちを抱きます。と申しますのもお坊さんの世界に入門し、最初に行った修行の一つが感井坊、赤沢集落を歩くことでした。いわば原点といえます。

 身延山での修行を終えた私は、未開拓地域に赴き寺院を建立する使命をいただきました。その大きなご縁によって感井坊の帝釈天も一妙寺に来られました。人それぞれに人生の要、生きるよりどころがあるように、私の僧侶としての中核が赤沢集落と感井坊であるような気が致しております。

 これからも赤沢集落を経て、感井坊へ登っていく気持ちを大切にしてゆきたいと思います。

住職 赤澤貞槙 拝

※余談ですが赤沢集落の先にある奈良田温泉はおすすめです。

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