お墓参りでの反省

住職のおはなし

 皆様もご存じのとおり、八王子上川霊園には一妙寺の永代供養墓があります。私はこのお墓をとても大切にしております。

 自分の母親が納骨されていることもそうなのですが、お墓をきれいにすると元気が回復されると申しましょうか、心の垢がとれていく清々しい気持ちになるのです。

 よく男性で趣味が洗車という方がいらっしゃいます、ズラッと並んだ車を眺め「俺の車が一番きれいだ!」とニンマリしているあれです。私の場合はそれがどうやらお墓のようです。上川霊園は約3万基の墓所がありますが一妙寺のお墓が一番きれいで、一番お経があがっていると本気で思っております。

ある日のことでございます。その日は母の命日が近かったので妻と2人でお参りへ出かけました。いつものように私は墓前でのお経と清掃を勤め、母親へ感謝の想いを手向けました。

 ところが妻はどうでしょう、私の思いとは裏腹に墓前に向かってこんなことをいっておりました。 「お義母さん、お願いがあります。貞槙さんが私にすぐ怒ります、妻に対してもう少し優しくしなさいと夢に出てきてお叱りいただけないでしょうか。」

 私は自分のことを「優しくて、良い夫」と思っておりましたので、妻が墓前でそんなことをいってるのが可笑しくなってしまいました。確かに忙しさにかまけて妻に八つ当たりをしていたのかもしれません。 ちょっとした考え方を身につけるだけで、不要なイライラとは無縁の生活を送ることができると説いているのが仏教です。私は妻とお墓参りをし機嫌が悪くなり、強ばった表情でいる自分を反省することができました。

  お墓参りをするだけで心に福が入り、鬼を出すことができます。これは夫婦の円満や家族の健康につながることにもなりますから、私はこれからもお墓参りを大切にしていきたいと思います。

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