魂のリンク

住職のおはなし

  人間は仏さまから頂いた「こころ」と、両親から頂いた「からだ」で構成されております。 この「からだ」というのはこちらの世界のものですから、物質としてそれぞれが独立した存在です。 例えば、私がお酒を飲みすぎて二日酔いになったとします。私の身体に起こる頭痛、吐き気、胃のムカムカといった症状が家族に伝わることはありません。何故なら父と子、母と子は別々の生命体ですから。 ところがこの「こころ」の部分は向こうの世界のものですから、精神として全体が連動した存在なのです。 私がお酒を飲みすぎて二日酔いになったとしても、私がどんな気持ちでお酒を楽しんでいたか、どんな気持ちで二日酔いに苦しんでいるのかわかります。 何故なら父と子、母と子は親子ですから。

 夫婦の縁を結ぶ、兄弟の縁を結ぶというのは、私の魂のリンク先をあなたの魂に設定しますよということなんです。物質はそれぞれが独立した存在ですが、魂は連動します。相互関係が成り立つのです。 その証拠に親が前向きな気持ちでいるだけで、子供の病気は早く治ります。 人間の身体は臓器の集合体であり、ガン細胞があれば悪いところだけを切ればいいと思いがちですが、そうではありません。身体が回復しても心が健康でなければ真の治療とはいえません。 現代は医療現場にも宗教が応用されております。子供の病の原因は家族の生活環境にあるという診断です。親の喫煙や飲酒が子供のストレスとなっており、病を引き起こしたというわけです。 「こころ」を高める、育てることを「仏道修行」と申します。

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