お仏壇でご法事

住職のおはなし

  ご法事とはご先祖さまへの供養を営むことです。施主さまは「お位牌・ご遺影・お供物・お布施」をお寺へ持参し、本堂にてお勤めいただく訳ですが、日蓮宗では供養の気持ちを南無妙法蓮華経というお題目に乗せて祈ります。

ご先祖さまの霊魂は向こうの世界にいらっしゃいます。私たちが日頃足を踏み入れることのない世界です。従ってこちらの世界と向こうの世界を自由に行き来できるお寺のご本尊さまに供養の気持ちを届けていただきます。 その為にお経が終わったらお供物はお寺に置いていきます。お寺のご本尊様へ向こうの世界へお持ちいただくためです。

「施主の○○さまより、向こうの世界にいらっしゃる△△さまへ供養の気持ちとこのお供物を預かりました。ご本尊さま、どうかお届けください」とお願いを代行するのがお坊さんの勤めです。伝言係としてミスがないようにお戒名やご命日の読み上げにとても気を遣います。  反対に向こうの世界から、こちらの世界にお出向きいただくスタイルがご自宅で勤めるご法事です。  

ご先祖さまへ懐かしい我が家にお戻りいただき、供養の気持ちを受け取ってお帰りいただく。これが自宅法事の概要です。

「国立市の○○さんがご自宅でご法事を営まれます。△△さんにご自宅に戻るようお伝えいただけますでしょうか」とお釈迦様にお願いするのがお坊さんの勤めです。お釈迦さまは向こうの世界の管理人ですから外出のお許しを請うわけです。 お供え物はその場でご参列の方と分け合います。霊魂を囲み、みんなで一緒に頂こうという教えです。 このように「お寺の本堂での法事」と「ご自宅のお仏壇での法事」では若干の違いがあります。 そして違うのは概要だけではありません。「法事を営む施主さまのお気持ち」も、若干の違いをお見受けします。 お寺で行う法事は厳粛なお式となります。皆さま控室でも口数が少なく大変厳かです。

一方、ご自宅で行う法事は賑やかです。皆さまよく喋り、よく笑い賑やかなご法事となります。 仏事は亡くなった方が主役ではありますが、仏事を営む施主さまにとってのお式でもあります。 施主さまがよく喋り、よく笑えたほうがご先祖さまもお喜びになるのではないかなという気持ちから「なるべく私がご自宅に伺って、ご法事をお勤めさせて頂こう」と思っております。 北は北海道から南は九州、沖縄、どちらでも伺います。フットワークの軽い住職目指して、今後も頑張って参ります。

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