宗教の感動

住職のおはなし

  「どうしたもんじゃろのう」 おなじみの朝の連ドラ、「とと姉ちゃん」が終了しました。みなさまはご覧になりましたか。 舞台は戦後の日本、物資が貧しく困窮した庶民の生活を豊かにすべく、主人公が出版社を起こす物語です。

洋服やホットケーキの紹介、丁寧な実験を繰り返した商品試験の結果など、暮らしの知恵を発信していきます。

確かにオシャレをするだけで、気持ちが明るくなりますよね。ホットケーキを食べると気持ちがホッします。便利な家電は家事の負担が減り、主婦を助けました。こうして一冊の雑誌によってみんなが元気になりました。

世の中にはいろいろな感動があります。ファッションの感動、グルメの感動、インテリアの感動など。多くの感動がある中に「宗教の感動」があることを皆さまにお伝えしたいと思います。

私たちはこちらの世界に生きておりますとつい無駄を省き、合理的に生きてしまいます。合理とは少ないエネルギーで大きな成果を得ようとすること。宗教は合理とは反対の位置に存在します。つまり大きなエネルギーを使うが成果が少ないこと。これが宗教です。 でもこれがいいんです、面倒くさいことに付き合う能力、不愉快に耐える能力、これらのことを総じて「絆」というんです。無駄を省き合理に生きると世の中は冷え切ってしまいます。

先日読んだ本には「お坊さんは交際業」と書いてありました。うまいこというなあ関心したものです。宗教の感動とはいいかえるとアナログの感動です。合理がデジタルなら宗教はアナログです。

お寺にお布施やお供え物をあげていただいたら印刷されたものではなくきちんと手書きで礼状を書くこと。 ご法務の機会をいただいたら必ず法話をすること。 今日の一妙寺さんはどんなお花を飾ってるのかしら?今月のお茶菓子はなんだろう?そんな手間ひまをかけたアナログの感動をこれからも一妙寺は大切にしていきます。 新しい朝の連ドラのタイトルはは「べっぴんさん」です。創り手の想いが伝わるような「別品」をこれからもみなさまにお届けいたします。

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