お盆供養の笹舟

住職のおはなし

ご先祖様の御魂をお迎えすべく、私たちは準備を進めます。 棚をつくり、幡を立てご先祖様のテンションをあげます。幡といっても私たちのイメージする幡ではなく、仏様へ手向ける仏教の幡です。棒の先端に短冊をつけ、その短冊にはお戒名や南無妙法蓮華経というお題目を浄書しました。 迎えの棚と幡、これが「たなばた」です。

今でこそ織姫と彦星という愛らしいお話になりましたが、例えばこの天の川、これはご先祖様がこちらにやってこられるときに渡る川、三途の川のことを天の川と申します。 向こうの世界からやってくるのだったら、こちらの世界にはお土産を持ってきてほしいという人間の欲望が膨らみました。こちらの世界にないもの、つまり「子供を授かる力」や「病魔を払う力」がほしいといって、幡にはお戒名ではなくお土産のリクエストを書くようになりました。 これが今日の七夕様の短冊です。

川を渡るには船がいるだろうという優しさから、笹の葉を舟をつくりました。食糧としてお米をきちんと舟に積みます。この舟にのってご先祖様はこちらの世界へやってこられるという教えです。 昨今は環境美化の観点から、海に流すことを控える地域が多いですが笹舟なら安心ですね。

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