寺院興隆の道

住職のおはなし

現代の都市計画、宅地造成はまず始めに道路を設定するようです。

一妙寺は甲州街道に面しておりますが、正確には旧甲州街道です。数年前に新しいバイパスができあがり、そちらが現在の甲州街道です。その新しい道路には国立ICを中心に商店が林立されました。行列の絶えない魚屋さんをはじめ高級車のディーラーなどが軒を連ねその発展は著しいものがあります。

しかし、昔は道のないところを多くの人が歩きつづけるうちに、次第に道ができあがりました。山の頂きへ祀られている神仏への参道などは特にそうです。最初に歩いた人が道をつくったのです。

「それ道は独り運ばず、これを弘むる,人にあり」(天台大師、魔訶止観巻4)

天台大師は道というものは自然にできるものではない、人次第で道になったり、ならなかったりするというのです。 乱暴な言い方をすれば、人が集まれば道となるが、集まらなければ道にならないということです。 人が大勢歩けば道も広まります。仏の道も多くの人が歩いて、つまり縁をもって「尊い教え」があらわれていきます。 一妙寺をつくりました、これからも多くの方に知っていただくことが良いお寺ができあがる道筋となります。

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