祝祷会の木札

住職のおはなし

一妙寺の新年祝祷会にて私達が授かるお札は、年季の入ったお札、即ち木の表面が黒くなったお札であることに気付かれた方はおられますか。

これは平成18年に住職が100日の荒行をした時に、将来ご縁を頂く信徒さん方の為にと荒行堂でお札をたくさん用意したことに由来します。以来、仏さまの足元に寝かせ今日までお経をお札に沁み込ませました。 何年も寝かせて黒くなったお札は御利益があります。

黒=コク=去垢 私達の生活のリズムを崩す悪い垢を取り除いてくれるからです。

酸っぱいものが少しづつ熟れていくように、人生の味というのは時間をかけて熟成されます、仏教の目的である魂のレベルアップには苦労を受けとめることが欠かせません。その苦を甘んじて受けとめよということです。

生活リズムを崩す根源は苦の回避であることに気付かされます。

毎年新年祝祷会を迎えると、寝かせたお札を拝しながらそんなことを考えておりました。 実は本年でこの寝かせたお札が全てなくなってしまいました。多くの方とご縁をいただいた証として受けとめ感謝いたします。 来年からは新品の白木のお札となります。

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