宗教法人の設立

住職のおはなし

   一妙寺は平成29年8月10日、東京都より宗教法人規則の認証をいただくことができました。これは皆様方のご支援あっての慶事でございました。  

 何故、宗教法人を設立することがおめでたいのでしょうか。日本は憲法で「信教の自由」を保証しており、何人たりとも自由に信仰をもつことができます。しかしそれは個人としての権利であり、法律が個人の信仰を守ってくれるわけではありません。宗教法人になるということは、法律が宗教団体一妙寺を保護するということです。
 

 人間が健康で文化的な社会生活を送るためには、宗教が欠かせません。ごはんを食べるときの「いただきます」「ごちそうさま」これらの挨拶も実は宗教です。大切な家族を失った悲しみを乗り越える力、新しい生命がお腹に宿り安産を願う力、雨が降り田畑が潤うことを願う力、人間がつくった物や道具に魂が宿る力、全て宗教です。  

 日頃の生活の中で宗教が占める割合、いかに私たちが神仏と共にあるか気づかされます。それならば政府は公金で宗教施設を管理する必要があります。なぜなら人間が健康で文化的な社会生活をおくるために宗教が必要なわけですから。(東京五輪に向け、空港に外国人向け礼拝所を設立したように)  とはいえ日本は先述のように「信教の自由」を尊び、国家が宗教活動に介入しない姿勢をとっております。その為、宗教のお世話を民間に委ねているわけです。政府がすべきことを民間の神社やお寺、教会が代行しているので、税制面を優遇し、構成員がかわっても活動が存続されるように宗教法人法を制定したのです。  

 それでも申請をすれば即認可というわけではありません。永続的な宗教活動という観点から礼拝施設が担保に供されていたり、借財を抱えていると難色を示されます。信徒数や安定した寺院収入も審査項目であり、一般的にはゼロから始めて宗教法人を設立する場合30年ほどかかるといわれています。  そんな大仕事を一妙寺は3年でやってのけました。専門家に依頼せず慎重さと信念をもって宗教法人設立に取り組んで参りましたが、こんなに早いとはお釈迦様もびっくりです。  

 もし、住職の仕事を解雇されたら私は最後の切り札として司法書士になろうと思います。というのは冗談ですが、皆さまあっての吉事でございました。

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