お墓の近所付き合い

 亡くなった方のご遺骨を管理している場所の責任者は、必ず「埋葬許可証」という書類を保管しております。

「この場所にこの方のお骨がありますよ」という証となるわけですが、友人の僧侶が「これは亡くなった人の住民票なんだよ」と申しました。

埋葬許可証は亡くなった方の住民票であり、お墓はその方の新たなお宅なのです。日本人は古くから遺骨を祀るということを大切な文化として守ってきました。

お墓に行けば、亡くなった人に会うことができる、お墓が故人の自宅ということですが、残念ながらお墓の中で眠っている方は自分では自分の家を掃除することができません。その為、ご家族が代わって清掃やお参りをしてしっかりと維持管理を行っていただきたいと思います。

 さて、ここで一つ注意して頂きたいことがあります。それは「お墓の近所付き合い」ということです。

ご自分の親兄弟が眠っているお墓が、あなたにとって大切な聖域であるように、他の方々もそれぞれのお墓が大切な処であり、亡くなった方が住んでいる家であるわけです。お墓にお参りをする際には、普段住んでいる自分の家の近所付き合いと同じように、隣近所にしっかりと配慮をして頂きたいのです。例えば、よくお見受けするのは、

・自分の荷物をお隣のお墓のスペースに無造作に置く
・疲れたから隣のお墓の囲いや階段の所にどっかりと腰掛ける
・お線香に火をつける為に隣のお墓のところで新聞紙を燃やして種火にする

等等。こういったことを時折お見受け致します。自宅に知らない方がドカドカと入ってこられ、荷物を置かれたり、休憩などされたら、住んでいる方としては腹が立ち、出て行ってほしいと思われるでしょう。なので、お隣さんやお向かいさんには十分配慮して頂きたいのです。

もし、どうしても荷物を置くスペースが無かったり、お花を換える時に一時的に隣に置きたい場合は、現実の近所付き合いと同じように「お隣の〇〇さん、ちょっとの間だけ荷物を置かせて下さいね。」と声をかけてあげてください。そういった他人を思いやる心や互いを尊重しあう関係を、現実の近所付き合いと同じように、お墓でも同じように実践していただきたいと思います。

きっとお墓の中にいらっしゃる方も気持ちよく安らかに眠れることでしょう。

2014年08月15日