五重の塔

私達は数多くの御先祖様からの御縁をいただいてこの世界に生まれてこれましたが、誰もが没するときを迎えます。天から頂いた命は、自然の理に従ってお返ししなくてはなりません。

「天地人」という言葉がありますが、これは世界を形成する要素としての、天と地と人という意味であり、天と地の間に人が生かされております。故に天からいただいた命は地にお返しするのが本理となります。

「地にお返しする」というのが、皆さまがお勤めされる49日忌法要です。
荼毘にふされ、49日間という長い時間をかけてあちらの世界へ魂はお旅立ちとなります。
旅立ちが終わり、あちらの世界へ魂が辿り着いたら49日忌法要を営み、ご遺骨をお墓にご埋葬いたします。

天(空)から頂いた命は

風に乗って魂は肉体から離れます

火の力で肉体は気化します(火葬)

水の力とはお清め。命をつなぐ為にいただいたお肉や魚介類、生じた罪を清めます。

残ったご遺骨は土にお返しする。

このように命の頂き方から、お返しの仕方までを表わすのが空、風、火、水、地(くう、ふう、か、すい、ち)。
そして形にあらわしたのが私達がお寺さんでみかける「五重塔」です。
屋根が5つあり、上から空、風、火、水、地(くう、ふう、か、すい、ち)
「清らかな塔」という意味がありますが、皆さまのご自宅にあるお位牌やお墓、お建てになるお塔婆、やはり空風火水地を形にしたものです。

法華経の神力品というお経には、塔を建てて供養をする尊さが説かれています。御先祖様もこの教えに従い塔を建てて供養をお勤めなされました。そのお陰で今の私達が生かされております。

2013年05月15日