三途の川のお話

頂いた命はお返しするもの、それが天と地の間に人が生かされる、すなわち「人間」の摂理です。
 
 このことを口にすれば御自分はお楽になれたけれども、これを口にすると誰かを傷付けてしまう、この話は誰にも喋らず自分の棺桶まで持っていこう、向こうの世界まで持っていこう、そういって本当に持っていかれてしまうお話というのが、どなたにもおありだと思います。
 
 私どもにすむ「此岸」と仏さまがすむ「彼岸」の間には三途の川が流れております。亡くなってからすぐに彼岸へいけるわけではありません。四十九日間という長い時間をかけて、三途の川を渡ります。

 何故、間に三途の川が流れているのでしょう。それは「どうか口にできなかったそのお言葉を、その辛いお気持ちを三途の川にお流しください、そして楽なお気持ちで仏さまの世界で新しい生活をなさってください」という願いが込められております。
 
 水の働きといったものを考えたときに、私共は「乾いたものを潤す」という効果を想像致します。しかし本来の水の働きは「悪いもの、辛いこと、汚いものを流す」という浄化作用にあります。これから年末を迎え大掃除をされるご家庭も多いと思いますが、お水を使わないお掃除はきれいにならないことがお分かりになると思います。
埃や塵は払えても、シミや汚れは水分を用いなければきれいになりません。
 
 「過去の因縁を水に流す」「供物は川に流す」など全ての浄化作業は川の流れに結ばれます。

2012年12月01日