身延山からの御本尊

清楚にして繊細、されど芯は強い。そんな大和撫子を彷彿とさせる優しい彩色が、見事な筆致で施されている。お袈裟には、今にも飛翔せらんとする三本指の龍が描かれ、身延山よりお迎えしたお釈迦様、お祖師様御一行はどんなお気持ちで、一妙寺へこられたのでしょうか。

 
 仏像を彫ることを、ある仏師が「木の中に住んでいる仏様を出してあげるんです」と言うのを、味わい深く聞いた覚えがある。仏師の魂が宿った仏像は、身延山志摩房にて、毎朝全国の信者さんに尊ばれたことでしょう。「おねがいごと」を託されたことは数知れずー、「旅の道中をお守りください」と全国津々浦々、どれほどの方がこの仏さまへお参りされたことか、想像は易い。 

 
 多くの方の願いや、信仰を重ね着したお祖師様はその丹精な御顔立ちをみれば、おのずと信仰の答えが見えてくる。湛(たた)える高貴な美は見るものを引き付けてやまない。仏師が木の中から取り出した「ほとけさま」どうかこれから一妙寺をよろしくお願い致します

2012年09月15日