天才バカボンのお話

私は平成8年に身延山久遠寺へ入門しました。
身延山の東谷にあります覚林房というお寺に、保証人となっていただいたのですが、この覚林房の庭園は臨済宗の僧、夢窓国師によるものです。

 この夢窓国師は将軍尊氏に「もし人、心にかなうことを愛せずば、心にそむくことあるべからず」と教えます。
人は、「自分の気に入ったものに執着しなければ、自分が気に入らないことなど起こらない」という訳です。

 ミスター合理化と呼ばれた経営者の土光敏夫さんが遺した言葉に「私も80年人生やってきてみて経験したことはなにかといえば、いろいろな障害があったが、それに背を向けずに前向きに闘って解決していけば、必ず1つの進歩があるということだ」とあります。

 土光さんは毎日法華経を読まれました。法華経の教えは仏にすがるとか頼むのではなく、物事に執着しないことを説く経典です。物事にとらわれない為の修養で、そうした時間の必要を強調されました。

 夏目漱石も「30歳の今日はこう思っている。喜びの深きとき憂いいよいよ深く、楽しみの大なるほど苦しみも大きい」、また「日の当たるところには、きっと影がさすと悟った」とも述懐します。

陰陽の法則がある限り、日向もあれば日陰もあります。いずれも「とらわれ」を起こさなければ日向でも日陰でも、気に入らないことなど起こりません。

世の中は空であるというのが仏教の根本です。空とは仮の姿ということ。
「これでいいのだ」という受け入れが、陰陽の法則のしたで生きる私共の御修行です。

天才バカボンでいきましょう。

2012年03月01日