手紙の再利用

鎌倉時代、日蓮聖人の時代にも「手紙の再利用」というのをされていたようです。今日でも、紙の節約ということで、広告紙の裏をメモ書きにする方がいらっしゃいますが、鎌倉時代の武士や僧侶、女性の手紙にもそのような例が多くみられます。
 
 その中にはメモ書きではなく、「法華経」や「般若心経」などの経文や真言や陀羅尼の梵字が書かれていることもあります。
 
 どうして経文や梵字が書かれているのか?それはその手紙の書き手が死去したあとの、供養と密接な関わりがありました。

 手紙の表には煩悩に彩られた、俗世間のできごとが綴られています。それを用いて浄土への手形(今でいうパスポート)にするには、その裏面に清らかな仏の世界の文字を書き込むことが最善の方法であると、考えられたのでしょう。

俗と聖は表裏一体、なるほど、理にかなっているわけです。

 鎌倉時代の一通の書状の裏面に書き写された「法華経」などにはそのような意味合いも存在しました。
今ではお棺のなかに、故人様へのメッセージを綴ったお手紙をおさめますが、僧侶の読経だけでなく、便箋にもあなたの文字で「南無妙法蓮華経」とお記しいただきたく思います。

2011年07月01日