浄土宗国内開教の公開カンファレンス

檀信徒以外への布教教化 国内開教寺院参考に課題探る

 浄土宗開教振興協会は11月28日、東京都港区の大本山増上寺慈雲閣で第8回開教公開カンファレンスを開いた。浄土宗と日蓮宗の国内開教寺院を参考に、檀信徒以外への布教教化の課題を模索し、法要・仏事を通じてできた縁のつなぎ留め方などが提案された。

 

 浄土宗林海庵(東京都多摩市)の笠原泰淳住職と、日蓮宗一妙寺(東京都国立市)の赤澤貞槙住職が「ゼロからの寺院運営」と題して対談。共に在家出身で、笠原住職は2003年に浄土宗国内開教使、赤澤住職は10年に日蓮宗国内開教師となった。国内開教は、寺院の土地、建物、檀信徒など全て「ゼロ」から始めなければならない。赤澤住職が開教の先輩である笠原住職に助言を求めたことが縁で、宗派を超えた交流が続いている。

 

 一妙寺は今年、宗教法人を取得し、毎週末には法事の依頼があるという。赤澤住職は、開教当初に駅前での辻説法を試みるも挫折。「まずは仏事」と方針転換し、「送り出す遺族にとって分かりやすい葬儀を」と心掛け、現代語で引導文を読み上げるなどの工夫を凝らした。また、布施の礼状や年回忌の案内は必ず手書きするなど、ひと手間かける努力をしている。

 

 笠原住職は、霊園での法事などで初めて出会った遺族とも共に念仏を称えることで心を一つにできることが法然上人の教えであるとし、「都市部では公営の霊園も多く、法要の需要は大きくなっているのは確か。自分の寺院のホームページでその声に応えられるよう発信しても限界はある。宗や教区としても取り組んでもらいたい」と訴えた。


【記事紹介】中外日報2017年12月1日号掲載

2018年01月01日