一妙寺の仏具

現在、一妙寺で使用している机や須弥壇(御本尊、仏像を安置する台)は不活動となったお寺よりお迎えしたものです。
それまでは、段ボールに風呂敷を巻いただけという簡素なものでしたが、こうやって多くの方からのお力添えを賜りながら、進んでいくことにお寺の大きさを感じます。

大きさというのは単なる規模ということではなく、なんというか社会的な存在の大きさといいますか、文化という大義のもとに人々や国からお寺はとても大切にされていることを実感します。ゼロからお寺を作るとなおさら感じます。

仏具をお迎えできたのも、私の力でなく仏さまのお力です。

なので私は仏さまのお傍に仕え、そこに安住することなく、住職としてみなさまの仏さまに対するお気持ちに答える義務と責任があることを、肝に銘じなければなりません。

ぼーっと仏具を眺めているだけでも、色々な想いがこみあげてきます。

この机や須弥壇も、当初は8畳しかない一妙寺の本堂にとってはとても大きなものでした。
しかし、運搬に携わってくださった仏具店さんが解体してくださり、都合のよい大きさに生まれ変わらせてくださったのです。

一度は役目を終えた大切に使っていたものを、違う場所で再び息を吹き込み使っていくというのは、とても良いことだと思います。そして仏教のお教えに則しており、人が集まれば町が栄えるように、仏具に対する気持ちが自ずとお寺の雰囲気を創ってくださいます。

今はお金を払えば何でも手に入る時代になりました。しかし、手を加え新たに息を吹き込む尊さ、先人方の遺徳を伝え、残していくというのが、昔の方が大切にされてきた人としての生き方であると感じます。

2011年04月01日